にぼ乃詩とかいう川越でいちばんあかんラーメン屋〈1麺吟目〉
煮干死にうってつけの日
人には肺があるように、川越にはにぼ乃詩がある。
どうも。上級護麺官ハギシン、もとい愛麺神楽覇儀です。
おれはこのお店に2018年のオープン時から一週間から二週間に一度のペースで通ってる。
このお店の美味しさを心からシェアしたく思う。
クセのつえぇ店主、クセつえぇ客、クセのつえぇラーメン。
ぜんぶ生きるのに必要な要素だ。
それらをすべて提供してくれるのがこのお店だ。そうだろ。
にぼ乃詩のこどもたち
おれは読みやすい文章とか分からない。美味しそうに聞こえないかもしれない。
それは君たちが判断してくれ。
今日食べたのは「大西阿修羅」っていう限定メニューだ。
大西の意味はよくわからねえ。

ごくごくたまに、店主の気が向いたときにやる「やり過ぎシリーズ(おれが勝手にそう言ってる)」だ。
にぼ乃詩のレギュラーメニューは「純煮干しラーメン」なんだけど、稀に作られるこれらやり過ぎシリーズには多くのファンがいる。
今日も十一時半のオープン時からたくさんの人が並んでいた。その時の写真はない。想像してくれ。

スープの色。
これ、分かる?
これ、魚のコーヒー。
おれはコーヒーを飲んでる。
そう思ったね。
苦味のあとから来る、海底由来の酸味。深煎りcoffee飲んでるようなコク。
あ、とうとう来たな、と。
ふぁーびよんざおーしゃんにぼし。
おれみたいに32で煮干しラーメンくってる煮干し野郎なんていねーか、はは。
照明のいろでよくわからんけど、ところどころ翠っぽい。藻のようなみどり。うおおおぉぉん、と圧が迫ってくる色彩をしている。
これがね、リビドーなんすわ。
リビドー色のプース。
具とか麺はもう頭に残んねえ。
おれは何してるんだ?
どこから来て、どこに流れるんだ?
まじまじとスープをじっと見ちまう。
負けたよ、と。
サバンナのライオンにも将棋で勝ったことあるおれだが、思わずサレンダー。
寒気のする旨さ。
周りのやつはみんな耐えきれずに発狂して死んでいった。スープを口に含んでクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ。バアアアァァァァン。
おれだけだった。
おれだけしか生き残っていなかった。
店主が悪魔のような顔で一匙のグレーを差し出す。

「純煮干しのスープです」
これ、今飲んで、味がしますか? ハギシンさん、って言ってきた。
差し出された瞬間、脊髄反射でそれを飲む。
そして答えた。
「何の味もしません」
舌がイカれちまっていた。おれの舌は煮干しの悪魔に捧げられちまっていた。
「ですよね」
店主はデビルスマイルを湛え、厨房に戻っていった。
まとめ
いかがだったでしょうか。にぼ乃詩、とても美味しそうですね。みなさんも休日にはぜひお越し下さい。
ラーメンデータベースや食べログにも掲載がありますが、鹿のフンみたいなレビューが散見されますので、自分の舌でお確かめ下さい。